ひとえに「不眠症」「睡眠障害」と言っても、人それぞれ「睡眠」に対する悩みは異なります。
- 寝つきが悪い・・・「入眠困難」
- 夜中に何度も目が覚める・・・「中途覚醒」
- 早朝に目が覚めてしまう・・・「早朝覚醒」
- 熟睡した気がしない・・・「熟睡困難」
不眠症や睡眠障害になる原因とは?
- 身体的要因・・・痛み、痒み、咳、喘息、アトピーなど
- 生理学的要因・・・不規則な生活による体内時計の乱れ
- 心理的要因・・・極度の緊張や興奮、ストレス
- 精神医学的要因・・・うつなど精神障害による幻覚や興奮など
- 薬理学的要因・・・薬の副作用、アルコール、カフェイン、ニコチンなど
整骨院に訪れる方でも「不眠症」や「睡眠障害」を訴える方は多いです。
その多くは「痛み」や「しびれ」などの身体的要因によるものなので、施術により痛みやしびれの症状が緩和されれば、それに併せて自然と眠れるようになって来ます。
その時に患者様から言われる喜びの言葉は「痛みが楽になりました。」よりも「夜眠れるようになりました。」という言葉の方が多い気がします。
日中の痛みも去ることながら、夜眠れない辛さはより一層辛いことだと改めて実感します。
また、「痛み」や「しびれ」以外にも身体的な機能の低下によって「自律神経」の切り替えがうまく行かなくなる、又は副交感神経の働きが悪くなっているなどの要因で「不眠症」「睡眠障害」に陥っているケースは多々あります。(特に高齢者や不規則な勤務時間で働いている方など)
当院の施術の中核を担っている遠絡療法では、自律神経の不調から来る「不眠症」や「睡眠障害」の根本的な原因はAtlas(アトラス=頚椎1番)の炎症にあると考えています。
≪第一頸椎(アトラス)の炎症で起こる主な症状≫
●疲労感
体が疲れやすい、朝起きるのが辛い
●頭痛、顔面痛
緊張型頭痛、偏頭痛、群発型頭痛、顔面神経痛、三叉神経痛、顎関節症
●体温の異常
慢性的な微熱、低体温など
●睡眠異常
不眠症、日中の眠気
●耳・喉・口の症状
耳鳴り、めまい、耳の詰まり感、喉の異物感、ドライマウス、嗄声(声のかすれ、反回神経麻痺)
●胸部の異常
動悸、息切れ、胸の痛み、胸やけ、圧迫感、うまく息を吸い込めないなど
●吐き気・胃腸の異常
消化不良、吐き気、腹部膨満、便秘、下痢、腹にガスが溜まる
●排尿の症状
頻尿、残尿感、排尿困難
●原因不明の肛門痛、陰部痛
●手足の異常
手足のしびれ、脱力感、手足の冷え、足がつる(こむら返り)、手足のほてり
●筋肉の凝り・関節の痛み
首や肩の凝り、関節の痛みなど(主に両側性)
●皮膚の異常
皮膚や粘膜のかゆみ
第一頚椎の炎症が起こると、頭部の還流が阻害され大脳、間脳(視床、視床下部、脳下垂体)、脳幹部(12脳神経)へと影響していきます。
視床下部は「生命維持の中枢であり、自律神経系の中枢」です。内臓の働きや、血圧や体温などを無意識下で調節し、ホメオスタシス(恒常性)を維持しています。ホメオスタシスは、自律神経系とホルモン系の連動によって保たれており、視床下部は下垂体との連携で、内分泌系(各種ホルモンの分泌)もコントロールしています。
また、脳幹部(12脳神経)が障害されると、以下のような症状が起こります。
Ⅰ嗅神経 | 嗅覚異常 |
Ⅱ視神経 | 視力 |
Ⅲ動眼神経、Ⅳ滑車神経 | 複視、眼球運動 |
Ⅴ三叉神経 | 顔の触れない痛み、奥歯の激痛、頬、下顎の激痛 |
Ⅵ外転神経 | 眼球外転 |
Ⅶ顔面神経 | 顔面の歪みと突っ張り感、顔面麻痺、dry eye、dry mouse、甘みの異常(舌前2/3)、眼輪筋麻痺 |
Ⅷ内耳神経 | 耳鳴り、めまい |
Ⅸ舌咽神経 | 塩辛味覚異常(舌後1/3) |
Ⅹ迷走神経 | 内臓症状、便秘、吐気、胃痛、腹部膨満、血圧、食欲 |
XI副神経 | 肩コリ、頸部後屈困難 |
XII舌下神経 | 舌の偏位 |
第一頸椎(アトラス)は、ちょうど上位中枢(脳)と下位中枢(脊髄)の境目に位置します。この部分で問題が生じると、上位中枢にも下位中枢にも影響が出ますから、遠絡医学では大変重要視している部分です。
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