「夜中や明け方に、ジンジンとする手の痺れで目が覚めてしまう…」。
これは手根管症候群の方によく見られる、とてもつらい症状です。ぐっすり眠れない日が続くと、日中の集中力も低下し、QOL(生活の質)に大きく影響します。
この記事では、なぜ朝方に症状が悪化するのかそのメカニズムを解き明かし、今夜から実践できる対策を5つご紹介します。もう我慢する必要はありません。
就寝中は手根管症候群の症状が現れやすい条件が揃っています。その理由を理解することが、効果的な対策の第一歩です。
1. 体液のむくみ(浮腫):日中は重力の影響で下半身に集まりがちな体液が、寝ている間は全身に均等に分布します。これにより、手首や手指にもむくみが生じ、元々狭い手根管の中がさらに圧迫され、神経へのストレスが強まります。
2. 手首の無意識の曲げ癖:多くの人は、寝ている間に「手首を曲げた姿勢」になりがちです。この姿勢は手根管を最も狭くし、正中神経への圧迫を強めてしまいます。
3. 血行不良:就寝中は心拍数や血圧が低下し、活動時よりも全身の血流量が減少します。これにより、圧迫されている神経への血流がさらに滞り、痺れや痛みとして感知されやすくなります。
対策1:就寝時に装具(ナイトスプリント)を使用する
最も効果的で医学的根拠(エビデンス)が確立されている方法です。

装具が手首をまっすぐな理想的な位置に保つため、無意識に手首が曲がるのを防ぎ、手根管内の空間を確保します。最初は違和感がありますが、多くの方がその効果を実感されています。
対策2:枕で手の位置を高くする
簡単にできるセルフケアです。重力を利用して手先のむくみを軽減し、手根管内の圧力を下げる助けになります。
対策3:寝る前の簡単ストレッチ
手首周辺の緊張をほぐし、循環を促します。
1. 腕を伸ばし、手のひらを天井に向けて、もう一方の手で指を優しく手前に20〜30秒引っ張り、手首の内側を伸ばす。
2. 次に、手のひらを床に向け、同じように手の甲側を伸ばす。
手首周りの筋肉と腱の緊張を緩和し、就寝中の圧迫リスクを軽減します。痛気持ちいい程度に留め、強くやりすぎないでください。

対策4:手をブラブラ運動で目覚めさせる
朝、痺れで目が覚めてしまった時の対処法です。
ベッドから起き上がり、痺れている側の腕をだらんと下げ、肩の力を抜いて手首と手指をリラックスさせてブラブラと振る。
ポンプ作用によって手先の血液循環が促進され、神経周辺のむくみが軽減されます。多くの患者さんが経験的に行っている、即効性のある方法です。
対策5:寝る前の水分・塩分摂取を見直す
むくみやすい方は生活習慣の見直しも有効です。
就寝の1〜2時間前からは、コップ一杯以上の水分をがぶ飲みするのは控えめに。また、夕食の味付けを少し薄味にしてみましょう。
過剰な水分と塩分摂取は、体のむくみを助長します。特に症状の強い日は、見直してみる価値があります。
· 親指の付け根の筋肉が痩せてきた
· 物を落とすことが増え、力が入りにくい
· 痺れが一日中続き、ストレッチでも全く楽にならない
このような症状がある場合は、症状が進行している可能性があります。
整形外科を受診し、正確な診断と、より適切な治療(薬物療法や注射、場合によっては手術)について相談することを強くお勧めします。
症状が軽度~中程度であれば、手前味噌ですが当院を含め、整骨院でもいいと思います。
朝の痺れは、睡眠の質を低下させる厄介な症状ですが、そのメカニズムと正しい対策を知れば、必ずコントロールできるようになります。まずはご自身でできることから始め、それでも辛い場合は、一人で悩まずに医療の専門家を頼ってください。良質な睡眠は、一日を元気に過ごすためのエネルギー源です。
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・手根管症候群の症状と原因とは?自分でできる改善ストレッチ5選
・手根管症候群の保存療法。手術なしで改善するため選択肢
これは手根管症候群の方によく見られる、とてもつらい症状です。ぐっすり眠れない日が続くと、日中の集中力も低下し、QOL(生活の質)に大きく影響します。
この記事では、なぜ朝方に症状が悪化するのかそのメカニズムを解き明かし、今夜から実践できる対策を5つご紹介します。もう我慢する必要はありません。
なぜ朝や夜中に痺れが強くなるのか?3つの原因 |
就寝中は手根管症候群の症状が現れやすい条件が揃っています。その理由を理解することが、効果的な対策の第一歩です。
1. 体液のむくみ(浮腫):日中は重力の影響で下半身に集まりがちな体液が、寝ている間は全身に均等に分布します。これにより、手首や手指にもむくみが生じ、元々狭い手根管の中がさらに圧迫され、神経へのストレスが強まります。
2. 手首の無意識の曲げ癖:多くの人は、寝ている間に「手首を曲げた姿勢」になりがちです。この姿勢は手根管を最も狭くし、正中神経への圧迫を強めてしまいます。
3. 血行不良:就寝中は心拍数や血圧が低下し、活動時よりも全身の血流量が減少します。これにより、圧迫されている神経への血流がさらに滞り、痺れや痛みとして感知されやすくなります。
今夜から試せる!朝の痺れを和らげる5つの対策 |
対策1:就寝時に装具(ナイトスプリント)を使用する
最も効果的で医学的根拠(エビデンス)が確立されている方法です。

装具が手首をまっすぐな理想的な位置に保つため、無意識に手首が曲がるのを防ぎ、手根管内の空間を確保します。最初は違和感がありますが、多くの方がその効果を実感されています。
対策2:枕で手の位置を高くする
簡単にできるセルフケアです。重力を利用して手先のむくみを軽減し、手根管内の圧力を下げる助けになります。
対策3:寝る前の簡単ストレッチ
手首周辺の緊張をほぐし、循環を促します。
1. 腕を伸ばし、手のひらを天井に向けて、もう一方の手で指を優しく手前に20〜30秒引っ張り、手首の内側を伸ばす。
2. 次に、手のひらを床に向け、同じように手の甲側を伸ばす。
手首周りの筋肉と腱の緊張を緩和し、就寝中の圧迫リスクを軽減します。痛気持ちいい程度に留め、強くやりすぎないでください。

対策4:手をブラブラ運動で目覚めさせる
朝、痺れで目が覚めてしまった時の対処法です。
ベッドから起き上がり、痺れている側の腕をだらんと下げ、肩の力を抜いて手首と手指をリラックスさせてブラブラと振る。
ポンプ作用によって手先の血液循環が促進され、神経周辺のむくみが軽減されます。多くの患者さんが経験的に行っている、即効性のある方法です。
対策5:寝る前の水分・塩分摂取を見直す
むくみやすい方は生活習慣の見直しも有効です。
就寝の1〜2時間前からは、コップ一杯以上の水分をがぶ飲みするのは控えめに。また、夕食の味付けを少し薄味にしてみましょう。
過剰な水分と塩分摂取は、体のむくみを助長します。特に症状の強い日は、見直してみる価値があります。
それでも改善しない方へ - 受診のサイン |
· 親指の付け根の筋肉が痩せてきた
· 物を落とすことが増え、力が入りにくい
· 痺れが一日中続き、ストレッチでも全く楽にならない
このような症状がある場合は、症状が進行している可能性があります。
整形外科を受診し、正確な診断と、より適切な治療(薬物療法や注射、場合によっては手術)について相談することを強くお勧めします。
症状が軽度~中程度であれば、手前味噌ですが当院を含め、整骨院でもいいと思います。
まとめ |
朝の痺れは、睡眠の質を低下させる厄介な症状ですが、そのメカニズムと正しい対策を知れば、必ずコントロールできるようになります。まずはご自身でできることから始め、それでも辛い場合は、一人で悩まずに医療の専門家を頼ってください。良質な睡眠は、一日を元気に過ごすためのエネルギー源です。
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