
「顔がゆがんできた」
「口元がの片側だけ下がる」
「眼を完全に閉じられない」
「口から飲み物がこぼれる」
そんな顔面神経麻痺でお悩みの方に、知って頂きたい治療法があります。
相模原市南区の当院で行っている「遠絡療法(えんらくりょうほう)」という、ユニークな視点から「顔面神経痛」にアプローチする方法です。
遠絡療法とは? |
遠絡療法は文字の通り、「遠くの経絡(ツボの流れ)を用いて、身体全体の流れを整える」という考え方を基本としています。
顔面神経麻痺とは、第7脳神経である顔面神経に何らかの障害が生じることで発症する疾患ですが、脳そのものを直接治療することは、通常の施術では不可能です。
遠絡療法は、東洋医学で古来より知られてきた「経絡」というエネルギー経路を応用し、現代医学的な神経生理学も取り入れて発見された、遠絡療法独自の治療ポイントを刺激することで、神経を介して脳や脊髄に信号が伝わり、結果として「顔面神経麻痺」の軽減や消失させるという治療法です。
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顔面神経麻痺の主な症状 |
顔面神経麻痺の典型的な症状としては、以下のようなものが挙げられます。
· 顔面の非対称性:「顔がゆがんできた」「口元が下がる」「額のシワが寄せにくい」
· 運動障害:「眼を完全に閉じられない」「口から飲み物がこぼれる」「ほおをふくらませにくい」
· 感覚・自律神経系の異常:「涙や唾液の分泌に異常がある」「耳の周囲や後頭部に痛みを感じる」「味覚が鈍くなる」
これらの症状は、多くの場合、顔面の片側に集中して現れます。
顔面神経麻痺の原因による分類 |
顔面神経麻痺は、その障害部位に応じて大きく2種類に分類され、原因や対応が異なります。
1. 中枢性顔面神経麻痺
脳や脳幹(顔面神経核よりも上位)の障害が原因で生じます。最も多い原因は脳卒中(脳梗塞や脳出血)です。
特徴として、額の筋肉は比較的保たれ(額にシワを寄せられる)、目や口の周囲の麻痺が主に現れます。脳卒中が疑われる場合は、突発的な麻痺と共に「ろれつが回らない」「手足に力が入らない」などの症状を伴うこともあり、緊急性が高いため、直ちに脳神経外科や救急医療機関での診断と治療が必要です。
2. 末梢性顔面神経麻痺
顔面神経そのもの(脳幹から末梢にかけて)が傷害されることで起こります。原因は多岐にわたり、ウイルス感染、炎症、腫瘍、外傷、ストレスなどが挙げられます。こちらは額を含む顔面全体の片側麻痺が特徴です。
最も多い原因:ウイルス性末梢性麻痺
末梢性麻痺の中で、特に頻度が高いのはウイルスが関与するものです。
· ベル麻痺(約60%以上):単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)の関与が強く疑われています。明確な原因が特定できない特発性の麻痺の中で最も多くを占めます。
· ハント症候群(約20%):水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)の再活性化により発症します。耳介や外耳道に帯状疱疹や水疱を伴うことが多く、難聴やめまいを合併することもあります。
これらのウイルスは、多くの人が幼少期に初感染した後、神経節内に潜伏しています。
過労やストレス、免疫力の低下などをきっかけに再活性化し、神経を攻撃することで麻痺を引き起こします。
つまり、顔面神経麻痺は「免疫力の低下により潜んでいたウイルスが暴れ出し、顔の神経を障害する病気」と言い換えることができるでしょう。
その他、手術や事故による外傷性の麻痺、中耳炎などの炎症、あるいは顔面神経経路の腫瘍が原因となることもあります。
予後と後遺症のリスク
適切な初期治療(主に薬物療法)を早期に開始できれば、約8割の患者様はほぼ元通りの状態に回復します。
しかし、残りの約2割の方には何らかの後遺症が残る可能性があります。後遺症としては、
· 病的共同運動:口を動かそうとすると、目が一緒に閉じてしまうなど、意図しない筋肉が連動して動く。
· 拘縮:麻痺した側の筋肉が持続的に緊張し、硬くなる。
· ワニの涙症候群:食事をする際に、涙が異常に分泌される。
などが知られています。
これを防ぎ、回復の可能性を高めるためにも、発症早期の専門医による診断と治療開始が極めて重要です。
遠絡療法を用いた「顔面神経麻痺」へのアプローチ |
当院では、顔面神経麻痺およびその後遺症に対して、「遠絡療法」を取り入れた施術を行っています。
遠絡療法の基本概念
コンピューターが、キーボード(入力装置)から送られた信号をCPU(中枢)が処理し、結果をモニター(出力装置)に表示するように、人体にも「末梢(手足などの治療ポイント)からの入力を通じて、中枢(脳・脊髄)の機能にアプローチする」という情報経路が存在すると考えます。
遠絡療法はこの経路を利用し、手足の特定のポイントをプログラムに沿って適切に刺激(主に専用の木棒による押圧)することで、遠く離れた中枢神経系や臓器のバランス調整を図る「間接療法」です。
顔面神経麻痺への応用
1. 末梢性麻痺の場合
· ダメージを受けた顔面神経そのものの回復促進と、神経の炎症鎮静を目指します。
· 神経伝達路の機能改善を促すことで、表情筋の動きの回復や、唾液・涙分泌の正常化が期待できます。
2. 中枢性麻痺(脳卒中後遺症など)の場合
· 完全な治癒が難しい場合でも、麻痺側の筋肉の過緊張(こわばり)を緩和し、拘縮の予防や共同運動の軽減をサポートします。
· 脳の血流や機能バランスの改善を間接的に促すアプローチを行います。
※詳細はこちらのページをご覧ください( 脳卒中後中枢性疼痛(CPSP)/視床痛)
3. 後遺症が残存している場合
· 病的共同運動や拘縮など、後遺症による不調和の是正を図ります。
※ 治療においては、手足のポイントへの押圧に加え、必要に応じて顔面から腹部にかけての経穴(ツボ)に低出力レーザーを照射するなど、複合的なアプローチを組み合わせることもあります。これにより、神経の興奮性の調整や局所の循環改善を図ります。
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遠絡療法は侵襲性が低く、体への負担が少ない施術法です。効果には個人差がございますが、従来の治療法と併用することで、回復の過程をサポートし、生活の質(QOL)向上のお手伝いができるものと期待されています。
顔面神経麻痺は、その見た目の変化から心理的負担が大きい疾患です。また、適切な時期に適切な治療を受けることが、その後の経過を大きく左右します。「もしかして?」と感じたその時が、受診のタイミングです。
お顔の動きの違和感、飲みこみにくさ、目が乾く(または涙が止まらない)など、気になる症状がございましたら、一人で悩まず、まずは当院にご相談ください。
≪著者プロフィール≫
![]() | 相模原市南区:鵜野森グリーンハイツ整骨院、院長 古谷毅(柔道整復師No.69144・整体師) 「原因不明、難治性の痛みとしびれでお悩みの方に貢献する」を理念に、15年前に「遠絡療法」を行う整骨院を開業。 脳・脊髄と痛みの関係や、体の歪み・人体構造と痛みの関係を応用した、独自の施術を行っている ≪著者の詳細≫はこちらから |
| 難治性、原因不明な痛みとしびれでお悩みの方に貢献する 痛み・しびれ専科:遠絡療法 鵜野森グリーンハイツ整骨院 | ![]() |
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