
「朝、目が覚めた瞬間に首が回らない…」
「たかが寝違えなのに、なぜか何日も、場合によっては何週間も治らない」
「寝違えを繰り返しているうちに、慢性的な首こりや頭痛に発展してしまった」
誰もが一度は経験する「寝違え」。
多くの方は「そのうち治る」と思い、湿布や痛み止めでやり過ごしています。2、3
日で症状が治まればそれで問題ないかと思います。
しかし、中にはなかなか治らず、日常生活に支障をきたす方も少なくありません。実はこの「寝違え」、単なる筋肉の炎症ではなく、身体からの重要なサインであることが多いのです。
今回は、当院で行っている「遠絡療法」による視点で、なかなか改善しない寝違えの根本的な改善アプローチについて詳しく解説します。
寝違えの正体:それは単なる「患部の炎症」ではない |
一般的に寝違えは「不自然な姿勢で寝たために首の筋肉(特に胸鎖乳突筋や僧帽筋)が炎症を起こした状態」と説明されます。
しかし、遠絡療法の視点から見ると、寝違えはもっと深い意味を持っています。
寝違えの3つの真実
1. きっかけは「寝姿勢」だが、根本原因は別にある
2. 患部の炎症だけが問題ではない
3. 「たかが寝違え」が、実は重大な不調の前兆であることも
なぜあなたの寝違えは繰り返すのか?遠絡療法が注目する「3つの根本原因」 |
原因1:神経の過敏状態(中枢性感作)
通常、人は寝ている間に無意識に数十回も寝返りを打ち、同じ姿勢が続かないよう調整しています。この寝返りがうまく打てなくなる背景には、頚椎から出ている神経(頚神経)の過敏状態があります。
神経が過敏になると、わずかな筋肉の伸張でも「危険信号」として過大に反応し、防御的に筋肉を硬直させます。これが、些細な姿勢の悪さでも寝違えを起こす原因です。
原因2:内臓-体性反射(内臓の不調が首に現れる)
東洋医学や遠絡医学では、内臓の不調が特定の筋肉の緊張として現れることが知られています。例えば:
· 胃の不調 → 左側の首から肩にかけての緊張
· 肝臓の負担 → 右側の首・肩のこり
· 腸の疲れ → 首の付け根全体の硬さ
夕食の食べ過ぎ、飲酒、ストレスによる内臓疲労が、寝ている間の首周辺の循環を悪化させ、寝違えの土壌を作っていることが多いのです。
原因3:頚椎の微細な歪みと「生体の流れ」の滞り
普段からデスクワークやスマートフォンの使用で前傾姿勢が続いていると、頚椎には持続的な負荷がかかります。
この状態が「生体の流れ」(血液、リンパ液、脳脊髄液、エネルギー)の流れを阻害し、首周辺の組織が「渋滞状態」になります。
この状態で不自然な姿勢を取ると、あっという間に炎症が発生するのです。
従来のアプローチとその限界 |
多くの方が寝違えに対して行う対処は・・・
· 湿布を貼る
· 痛み止めを飲む
· 患部を揉む・温める
· 無理にストレッチする
しかし、これらの方法には明確な限界があります。
湿布や痛み止めは炎症を抑えますが、根本原因にはアプローチできません。
むしろ、患部を揉んだり無理に動かしたりすることは、炎症を悪化させ、回復を遅らせるリスクがあります。
遠絡療法のアプローチ:痛い首には触れずに改善する理由 |
遠絡療法のアプローチ:痛い首には触れずに改善する理由
遠絡療法では、炎症の起きている首そのものには、急性期には一切触れません。その代わりに、手足の特定のポイントを刺激します。
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これにより・・・
1. 神経の過敏状態を鎮静化
手足からの刺激が脊髄・脳幹を経由し、頚神経の興奮を鎮めます。これにより、筋肉の防御的な硬直が緩和されます。
2. 内臓機能の反射的調整
関連する内臓に対応する経絡ポイントを刺激し、内臓-体性反射の悪循環を断ち切ります。
3. 「生体の流れ」の改善
全身の循環を促進することで、首周辺の「渋滞」を解消し、炎症物質の排出と酸素・栄養の供給を促します。
当院の具体的な施術ステップ |
・急性期(発症~3日程度):炎症の鎮静化が最優先
遠絡療法による神経鎮静
· 手足の鎮痛・消炎ポイントを刺激
· レーザー治療(主に脊髄液の循環促進、頸部周囲の消炎)
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・回復期(3日~1週間):機能回復の段階
頚椎の負担軽減のための整体調整
· 首だけではなく、土台となる胸椎・腰椎・骨盤のバランスを整える
· 頭部を支える筋肉の協調関係を改善
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1. 姿勢分析と生活指導
· 寝具の選び方(枕の高さ・硬さ)
· 就寝前の習慣(飲食・スマホ使用など)
2. ホームケアの指導
· 簡単な呼吸法
· 首に負担をかけないストレッチ
症例紹介:繰り返す寝違えから解放されたMさんの場合
【初診時の状態】
Mさん(38歳・保育士)
· 2ヶ月間に3回の寝違えを繰り返し
· 最近は首を動かすと頭痛も伴う
· 慢性的な肩こりと胃もたれあり
· 「もう枕を変えてもダメ。体質だと思っている」
【施術の経過】
初回(寝違え発症2日後):
遠絡療法のみを実施。首への触診は最小限に。施術後、首の可動域が20%程度改善。「首の奥の重たい感じが軽くなった」と実感。
2回目(3日後):
遠絡療法に加え、胃の反射点へのアプローチを追加。整体では骨盤の微妙な歪みを調整。この日から、胃もたれの自覚症状が軽減。
3回目(1週間後):
首の痛みはほぼ消失。可動域は90%回復。頭痛も出なくなる。就寝前の習慣(スマホ使用時間、食事)について具体的なアドバイスを実施。
4回目(2週間後):
予防的メンテナンスとして施術。首・肩のこりが大幅に改善。
なぜ寝違えを放置してはいけないのか? |
寝違えは、身体が発する「黄色信号」です。これを繰り返すうちに
1. 慢性頚部痛への移行
急性炎症が慢性化し、常に首が重い状態になる
2. 頭痛・めまいの原因に
頚椎の歪みが自律神経を刺激する
3. 頚椎症・頚椎ヘルニアの前段階
繰り返す炎症が椎間板や関節を変性させる
たかが寝違えと軽視せず、根本から改善することが、将来のより深刻な症状を防ぐことにつながります。
ご自身でできる、寝違え予防の3つのポイント |
1. 就寝前の習慣を見直す
· 寝る2時間前からスマホ・PCを見ない
· 夕食は就寝3時間前までに済ませ、消化の良いものを
· 軽いストレッチではなく、深い腹式呼吸でリラックス
2. 寝具の選び方
· 枕は「高さ」より「頚椎のカーブを支える形状」が重要
· マットレスは柔らかすぎず、硬すぎないものを
3. 日中の姿勢管理
· 1時間に1回は首を回すのではなく、立ち上がって背筋を伸ばす
· デスクの高さと椅子の高さのバランスを調整
「たかが寝違え」と放置しないでください
寝違えを繰り返すのは、身体が「今の状態では限界です」と教えてくれているサインです。
遠絡療法は、そのサインの根本原因にアプローチし、単に痛みを消すだけでなく、二度と同じ症状を繰り返さない身体づくりをお手伝いします。
「毎朝、首が痛くないかヒヤヒヤしながら目覚める」
「旅行先で寝違えになったらどうしようと不安」
そのようなストレスから解放される日が来るとしたら、どんなに生活の質が上がるでしょうか。
寝違えでお悩みの方は、ぜひ一度、遠絡療法という選択肢を知ってください。あなたの首が、再び軽やかに動く日を取り戻すお手伝いをさせていただきます。
≪著者プロフィール≫
![]() | 相模原市南区:鵜野森グリーンハイツ整骨院、院長 古谷毅(柔道整復師No.69144・整体師) 「原因不明、難治性の痛みとしびれでお悩みの方に貢献する」を理念に、15年前に「遠絡療法」を行う整骨院を開業。 脳・脊髄と痛みの関係や、体の歪み・人体構造と痛みの関係を応用した、独自の施術を行っている ≪著者の詳細≫はこちらから |
| 難治性、原因不明な痛みとしびれでお悩みの方に貢献する 痛み・しびれ専科:遠絡療法 鵜野森グリーンハイツ整骨院 | ![]() |
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