脳卒中の後遺症の中には少し時間が経ってから手足や体幹、顔等に痛みやしびれが出てくることがあります。
このような症状を視床痛、脳卒中後中枢性疼痛(CPSP)などと言い、耐えがたい痛みやしびれが常に続くといった とても辛い症状で、現代医学でも治りにくい痛みの一つです。

そんな症状でお悩みの方に知って頂きたいのが、当院で行っている遠絡療法という施術法です。
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遠絡療法とは?
患部に直接刺激を加えるのではなく、手足にある遠絡療法独自の治療ポイントを刺激して、間接的に脳や神経の働きを整える治療法です。
視床痛、脳卒中後中枢性疼痛(CPSP)では・・・
- 灼熱感
- 凍結感
- 針で刺されているような痛み
- 何かに引き裂かれるような痛み
- 骨の芯から疼くような痛み
等、人によって様々な表現をされます。
視床痛、脳卒中後中枢性疼痛(CPSP)に対する遠絡療法の考え方 |
遠絡療法では、視床痛、脳卒中後中枢性疼痛(CPSP)のような症状を「脳の誤作動」が引き起こす状態と捉えます。
そのうえで、この誤作動を「脳のネットワーク全体」に働きかけて整えることを目指します。
1. 「痛みの記憶」が独り歩きする状態
· 最初のキッカケ: 脳の「視床」という感覚の中枢が、脳卒中などで傷つきます。
· 本当の問題: 傷は治っても、脳の神経回路に 「痛みの記憶」 がこびりついてしまい、それが独り歩きを始めます。まるで、火事報知器のスイッチが壊れたままになり、危険が去っても鳴り止まない状態です。
これを医学では 「中枢性感作(ちゅうすうせいかんさ)」 と呼びます。
2. 痛い場所ではなく、「脳のシステム」にアプローチする
従来のアプローチが「鳴り響く警報(痛みの部位)」を止めようとするのに対し、遠絡療法は「誤作動を起こしている警報システムの本体(脳)」に働きかけます。
そのために、手足やお腹など、痛みを感じている場所から離れたポイントを選んで刺激します。
· 「リセットスイッチ」としての役割: これらの遠くのポイントは、脳の太い神経の道(経絡)につながる「リセットスイッチ」と考えます。このスイッチを押すことで、脳に「誤作動を修正せよ」という強い信号を送り込むのです。
3. 脳内の「痛み抑制システム」を目覚めさせる
私たちの脳にはもともと、過剰な痛みの信号を鎮める 「下行性疼痛抑制系(かこうせいとうつうよくせいけい)」 というブレーキシステムが備わっています。視床痛では、このブレーキが利かなくなっています。
遠絡療法は、遠くのポイントを刺激することで、この脳内の天然のブレーキシステムを目覚めさせ、活性化させることを目指します。
4. 痛みの「感情」と「からだの反応」にも同時に働きかける
慢性の痛みは、不安やストレス(情動)と結びつき、さらに自律神経(心拍や血圧を司る)を乱し、痛みをより複雑にします。
遠隔部位への刺激は、痛みを感じる感覚野だけでなく、情動を司る「扁桃体」 や、自律神経のコントロールタワーである「視床下部」 にも同時に作用すると考えられます。これにより、「痛みでイライラする」「痛みで体がこわばる」という悪循環を断ち切ります。
遠絡療法による施術 |
手足の治療ポイントを、適した大きさの木の棒を使って押圧します。
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コンピューターでは、 キーボードの入力によってCPU本体に指令を出し、その結果をモニターなどに反映させることが出来ます。
人間の体も同じです。
末梢からの入力で中枢を操作することが出来ます。
人間の手足はキーボードと同じ役割を果たしています。手足にある治療ポイントをプログラム通りに押す事によって、中枢の様々な問題を解決する事が出来ます。
手足の治療ポイントと併せて、顔から腹部にある治療ポイントにレーザー治療器を使って治療します。

残念ながら完治させることは大変難しい症状です。
しかし、遠絡療法を定期的に受けることにより、職場や家事に復帰された方が、これまでも沢山いらっしゃいます。
脳卒中後中枢性疼痛(CPSP):視床痛で、お悩みの方は、当院にご相談ください。







