
足(下肢)のむくみは、整骨院業務をしていると、割と相談の多い症例です。
今回の記事では
・病気で起る足のむくみ
・病気以外(主に生活習慣)から起こる足のむくみとそのメカニズム
・簡単に出来るむくみの解消方法
についてお伝えします。
病気で起る足のむくみ |
基本的には、長時間のデスクワークや、立ち仕事などの方に多いのですが、もう少し広い範囲で考えた場合、「下肢のむくみ」は、何らかの病気が潜んでいる可能性もあります。
下肢のむくみと関連する病気は以下の通りです。
などが挙げられます。
多くのむくみは、運動、塩分控えめの食事、足を上げる休息などで改善します。
しかし、むくみが続く、どんどんひどくなる、他の症状を伴う場合は、一度医師に相談することをおすすめします。
足のむくみとは? |
ここからは、病気が原因以外で考えられる足のむくみについて話をします。
「足がむくむ」というのは、体の中の水分が足にたまってしまった状態のことです。
人間の体には、血管を通って全身に栄養や酸素を運ぶ血液が流れています。
この血液の中の水分が、何らかの理由で血管の外ににじみ出て、皮膚の下にたまってしまうのが「むくみ」の正体です。
どうしてむくむの? 5つの簡単なメカニズム |
1. 血管の中の圧力が高くなる
ちょうどホースに水をたくさん流すと、ホースの穴から水がにじみ出るように、血管の中の圧力が高くなると、水分が血管の外に出てきてしまいます。長時間立ちっぱなしでいると、重力で足の血液が心臓に戻りにくくなり、血管の中の圧力が上がってむくみやすくなります。
2. 血液の中のタンパク質が少なくなる
血液の中には、水分を血管の中に引き留めておく働きをするアルブミンというタンパク質があります。このタンパク質が少なくなると、水分を血管の中に保っておく力が弱くなり、水分が血管の外に出て行きやすくなります。
3. 血管の壁がゆるむ
炎症やアレルギーがあるときには、血管の壁が「ゆるんだ」状態になります。すると、普段は通りにくい水分やタンパク質が簡単に血管の外に出て行ってしまいます。ケガをしたときにその周りが腫れるのは、このためです。
4. リンパ管の流れが悪くなる
体の中には、余分な水分を回収する「リンパ管」という管があります。このリンパ管が何らかの原因で詰まったり、流れが悪くなったりすると、水分がうまく回収されずにたまってしまいます。
5. 塩分の取りすぎ
塩分(ナトリウム)をたくさん取ると、体は水分をため込もうとします。これにより、全体の水分量が増え、むくみにつながります。
生活習慣でよくある足のむくみ |
長時間の立ち仕事・座り仕事
デスクワークで一日中座りっぱなし、または接客業で立ちっぱなしの人は、重力の影響で足に水分がたまりやすくなります。適度に体を動かし、足を上げる時間を作ると改善されます。
運動不足
筋肉、特にふくらはぎの筋肉は「第二の心臓」と呼ばれ、足にたまった血液を心臓に戻すポンプの役割をしています。運動不足でこの筋肉が弱ると、ポンプ機能が低下してむくみやすくなります。
塩分の多い食事
ラーメンやスナック菓子など塩分の多い食事を続けていると、体が水分をため込みやすくなり、むくみの原因になります。
水分・アルコールの摂取
アルコールを飲むと、血管が広がり、水分が血管の外に出やすくなります。また、お酒の席では塩分の多いおつまみを食べることが多く、さらにむくみを助長します。
冷え
体が冷えると血流が悪くなり、むくみやすくなります。夏場の冷房の効きすぎにも注意が必要です。
女性の生理周期
女性は生理前になると、ホルモンの影響で体が水分をため込みやすくなり、むくみを感じることが多くなります。
自宅で簡単に出来る「足のむくみ」解消法 |
さて、最後に筋・骨格系の問題から起こっている「足のむくみ」について、当院での考えと、自宅で簡単に出来る解消法をお話させて頂きます。
「足のむくみ」の原因は「腸腰筋の過緊張」です。

腸腰筋が過緊張になると 下肢への血管(大腿動脈や大腿静脈)や鼡径リンパ節を圧迫することになります。
そして、腸腰筋の過緊張の原因は「多裂筋の筋力低下」です。
多裂筋を筋収縮させると腸腰筋は緩む作用が働きます。
腸腰筋が緩めば、圧迫されていた血管やリンパ節が解放されるため、「足のむくみ」が改善します。
早速やってみましょう!多裂筋の筋収縮は・・・
1 仰向けのまま両下肢を、術者の足や大腿部に乗せて下肢を挙上位にします。
2 そのまま、両臀部を浮かせるようにヒップアップさせるだけです。
こんな感じです。
足の高さを床より少し高くして行ってください。一人の場合、何か足を乗せれるもので代用して行ってください。
一般的にヒップアップは屈膝臥位といって、 仰向けの状態で膝を立てた姿勢で行われます。こんな感じです。

しかし、多裂筋は股関節が曲がった状態では働きにくくなるので、なるべく下肢は伸展位のままヒップアップさせていきます。
もっと詳しく・・・
・体のバランスや自身の身体のゆがみについて知りたい
・足のむくみだけでなく、身体の不調を根本的に改善したい
そのような方は、当院にご相談ください。



