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2025/10/23
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【肩の痛み】肩腱損傷、腱板断裂と五十肩その他との違いについて |
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この記事では、「肩腱板損傷」の原因、治療法、似ている疾病(五十肩、その他)との見分け方について解説します。 肩腱板とは肩関節の安定性と動きを支える、4つの重要な筋肉(棘上筋・棘下筋・肩甲下筋・小円筋)とその腱の複合体のことを言います。 肩の深部にあり、上腕骨の頭を肩甲骨の受け皿(関節窩)にしっかりと固定する「ボールとソケット」関節の要となる組織です。 ![]()
肩腱板損傷の原因は、主に以下の3つに大別されます。 1. 加齢による変性(退行変性) 最も一般的な原因です。腱は年齢とともに脆くなり、血行も悪くなります。その状態で日常的な動作(髪を梳かす、物を取るなど)の繰り返しによって、少しずつ傷み、ある日切れてしまうことがあります。50歳以上で非常に多く見られます。 2. 外傷 転んで手や肘、肩を直接打った時や、急に重いものを持ち上げた時など、一度の大きな力が加わることで断裂することがあります。若い年齢層でもスポーツ事故や交通事故などで発生します。 3. 使いすぎ(オーバーユース) 肩を頻繁に使う仕事やスポーツによって、腱が肩の骨(肩峰)と摩擦を繰り返し、損傷していきます。 · 職業例: 大工、画家、教師(黒板を書く) · スポーツ例: 野球の投球、テニスのサーブ、水泳など、肩を大きく回す動作を繰り返す競技 リスク要因 · 年齢(40歳以上でリスクが増加) · 骨の形状(肩峰の形状が腱を圧迫しやすい) · 糖尿病(腱の質を悪くする) · 喫煙(血行を悪くする)
治療法は、「損傷の程度」「患者さんの年齢」「活動性」「日常生活への影響」によって大きく2つの方針(保存療法と手術療法)に分かれます。 1. 保存療法(手術をしない治療) 完全断裂ではない部分断裂や、高齢で活動性が低い方、疼痛が主な症状の方などが対象となります。 安静と生活指導 · 痛みを誘発する動作(腕を上げる、重いものを持つ)を避けます。ただし、全く動かさないと関節が固まってしまうので注意が必要です。 ·薬物療法 · 消炎鎮痛剤:飲み薬や貼り薬で、炎症と痛みを抑えます。 · ステロイド注射:強い炎症と痛みがある場合、腱や関節内に注射をして炎症を鎮めます。効果は一時的で、繰り返し行うと腱を弱くする可能性があるため、回数は限られます。 · ヒアルロン酸注射:関節の動きを滑らかにし、摩擦を減らして痛みを和らげます。 · 理学療法(リハビリテーション) 以上が保存療法の中心です。 · 急性期:まずは炎症と痛みを抑えるために、アイシングや超音波治療などを行います。 · 回復期:痛みが落ち着いたら、関節の可動域を広げるストレッチと、腱板を支える筋肉(特に肩甲骨周囲の筋肉)を強化するトレーニングを開始します。腱板自体に負担をかけずに肩の安定性を高めることが目的です。 2. 手術療法 以下のような場合に検討されます。 · 若年者や活動性の高い方の完全断裂 · 保存療法を3~6ヶ月続けても効果が不十分な場合 · 大きな断裂(3cm以上)や、断裂が進行している場合 · 強い筋力低下がある場合 主な手術方法 · 腱板縫合術:断裂した腱を元の位置(上腕骨の骨)に縫い付ける手術です。 現在は関節鏡視下手術が主流で、皮膚に数ヶ所の小さな穴を開け、関節鏡(カメラ)と専用の器具を使って行います。体への負担が少なく、回復が早いという利点があります。 断裂が大きい場合は、ご自身の他の部位の腱や人工物を使って補強することもあります。 · 腱板修復術以外の手術:断裂が大きくて縫合が不可能な場合や、高齢者の場合には、腱板疎通術(傷んだ組織をきれいにする)や上腕骨骨頭切除術(変形した骨を整える)など、痛みを和らげることを目的とした別の手術が行われることもあります。
· 原因は、加齢、外傷、使いすぎが主です。 · 治療は、まずは保存療法が基本です。特にリハビリテーションは非常に重要です。 · 保存療法で改善せず、日常生活に支障がある場合や、若年者で大きな断裂がある場合は手術が検討されます。 注意点 ご自身の症状が肩腱板損傷なのか、五十肩(凍結肩)など他の疾患なのかは、専門医の診断が必要です。 特に「夜間にズキズキ痛む」「腕を上げる途中で強い痛みや力が抜ける感じがある」といった症状がある場合は、早めに整形外科を受診されることをお勧めします。 適切な診断と治療方針決定のために、レントゲン(X線)やMRI検査が行われることが一般的です。
手術の対象となる程の肩の痛みではなく、尚且つ、薬や注射を使わずに、肩の痛みを改善したいとお考えの方!
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