|
2025/11/22
|
||||||
下山の時に【膝の外側が痛む】人は是非これを試して下さい |
||||||
|
登山中のこんなお悩みありませんか? ・下山の時に「膝の外側が痛む」 ![]() 膝の外側が痛む症状を「腸脛靭帯炎」と言います。もしかしたら、ネットで調べて、既にこの症状だと自分で自覚している方もいらっしゃるかもしれません。 けど、そんな傷病名はどうでもいいです。問題は・・・ どうしたら、下山の時に膝の外側が痛まずに降りれるか? これを読んで頂いているレアな方は、それが関心事であり、欲しい答えですよね? 結論から言います。「ドスンと降りる」これです! もう少し詳しく言うと「足の骨にしっかり重心を乗せ、なるべく無駄な足の筋力を使わない。」ということです。 もっと専門的に言うと、「床反力の原理と内転筋を効率的に活用しながら降りる。」となります。 本当に結論から言えば、ただただ、下山時は膝に負担をかけないように、ゆっくり、そ~っとではなく、反対に着地の瞬間にドスンと力強く地面を踏む事を意識して、降りるだけで腸脛靭帯炎はかなり改善できると思います。(これが床反力の原理の利用です。) 申し遅れました。私は登山歴2年ほどの52歳の男です。 仕事は整骨院(柔道整復師)の院長をしております。ですので、登山の経験や知識としてはまだまだ未熟ですが、少しは一般の方より、体のことに関しては詳しいと思います。 ここから先は、自らが下山時の膝の痛み(腸脛靭帯炎)を克服した経験談を、体の構造の解説なども含めて、お話しさせて頂きます。
登山を始めてすぐに、下山時にほぼ毎回、膝の外側が痛むようになりました。 私は・・・ ・10代の頃、スポーツで何度も左足首を捻挫 ・30歳の誕生日、酔っぱらって左アキレス腱を断裂 ・47歳の時、左膝内側側副靱帯、軽度損傷(半年程、痛みが続きました) そんな既往歴から、右足と比べ、左足の筋力や柔軟性が低下していることを自分でも自覚していたので、膝が痛くなっても仕方ないと納得はしました。 しかしこのままでは、折角始めた登山が続けられそうにない。何か対策しなければと考え・・・ ・腸脛靭帯炎用のサポーター(ZAMST)を購入 ・毎日1時間ウォーキングを日課に ・登山家YouTuberさんの「山の降り方」を解説した参考動画を徹底実践 これによって、以前より少しは痛みがマシになった気もしますが、残念ながら下山の時の膝の痛みは一向に無くなりませんでした。 他にも、下半身を筋トレで強化するとか、毎日ストレッチをするとか、膝の痛みを改善する為に、出来る事は沢山あったと思うのですが、どうもやる気が起きません。 何故なら、明らかに自分より筋力や体力が無いであろう年配の方々も、大勢登山を楽しんでいるからです。 失礼ながら、彼ら彼女らが全員私より、足の筋力があり、柔軟性に優れているとは思えません。 もっと、単純な理由で膝が痛いはずだ・・・そう感じていました。
下山技術について色々調べると、人によって多少の意見の違いはあれど、主に以下の事が言われています。 ・重心を低く、腰を落とす ・歩幅は小さくを徹底 ・足裏全体で静かに着地 ・膝は常に柔らかく曲げてクッションに ・つま先の向きに気をつける(真っ直ぐ、またはやや外側を向くように) ・ジグザグ下降の活用 ・トレッキングポールの活用 毎回下山の最中に、腸脛靭帯炎になってしまう登山初心者の私は、ネットで情報を漁り、上記の内容全てになるべく細心の注意を払い、下山していました。 しかし、残念ながらこれが間違いの元だと気づいたのです。(あくまでも私にとっては、という前提ですのでご了承ください。) 特に上記の赤字の項目は、かえって膝を痛める原因になると思います。青字の項目は解釈を間違えると、これも膝の痛みにつながる可能性があります。 ※黒字の項目については、とても参考になり、腸脛靭帯炎克服の助けになったと感じています。 では、なぜ ・足裏全体で静かに着地 ・膝は常に柔らかく曲げてクッションに ・重心を低く、腰を落とす が、かえって腸脛靭帯炎の原因を作るかを順番に解説します。 足裏全体で静かに着地しようとする時に問題となるのが、反対足への負荷の増大です。 登山の下りは「高い所から、低い所へ」足を運ぶ動作の連続です。 例えば、左足を静かに着地させようとした場合は、その間ずっと、右膝と右股関節を曲げ、体重を支え続けなければなりません。 私の場合、左膝が痛むので毎回下り(特に段差のある場所)の際は、左足を前に出し静かに着地する動作を繰り返していたのですが、この動作の繰り返しは、右足(特に前ももの筋肉)に相当な負担がかかります。 そして、たまには右足を休ませようと、今度は右足を前に出し、静かに着地させようと左膝を曲げ体重を預けた瞬間に膝の外側に激痛!!!!この繰り返しでした。 後ほど詳しく解説しますが、静かに着地ではなく、骨の構造を利用して リズミカルに降りていく方が、足の筋肉に疲労はたまりませんし、腸脛靭帯炎も防げます。 次に、膝は常に柔らかく曲げてクッションに、を意識しすぎると、どうなるでしょうか? 膝を曲げて、体重を柔らかく吸収しようすると「より膝を曲げる方に意識が行ってしまいませんか?」 下の図を見てください。膝の屈曲角度が大きい程、腸脛靭帯と膝の外側の骨が繰り返しこすれて炎症が起きます。 正解は「膝を必要以上に曲げない事です。」これによって腸脛靭帯炎のリスクは、大幅に軽減できます。 ![]() 最後に、重心を低く、腰を落とすですが、この姿勢は、筋トレで言うところの「スクワット」のような姿勢です。 ご存じの方も多いと思いまずが、スクワットのトレーニングをする際に、下図の左側のように膝が前に出てしまうスクワットは膝を悪化させるので良くないとされています。 スクワットにおいては、下図右側のような姿勢で行うのが良しとされているのですが・・・この姿勢で歩いてみてください。 ![]() とても、歩きづらいです。ましてや、下山(下り坂)です。 下りは、普通に歩くと勢いがどんどん出てしまうので、それを抑えるために、歩行のブレーキ筋である前もも(大腿四頭筋)を活用します。その結果、自然と上図の左側の姿勢になりやすいです。 段差のある場所以外では、必要以上に腰を落として歩く事を意識すると、かえって膝に負担が来るケースがあると思います。
冒頭でもお伝えしましたが、私が腸脛靭帯炎を克服した下山法は、ごくごくシンプルです。 基本的には、前に出した足を着地の瞬間に、力強く地面を踏む事を意識して、降りるだけです。 そして・・・ ・必要以上に腰を落とさない ・膝をクッションのように曲げて体重を吸収しない ・足を静かに着地させない むしろ逆、着地の瞬間に地面を踏むことによって、曲がっていた膝を伸ばしていく感覚です。 これは、登りの時の前足と同じ動きです。多くの方が「下山」で腸脛靭帯炎になります。「登り」ではなりません。登りと同じ構造で下りの動作を行ってはどうですか?という考え方です。 決して、足を伸ばして着地するのではありません。それだと膝を痛めます。あくまでも着地と同時に伸ばすイメージです。 これにより、内転筋群が活用され、股関節周りから骨盤の安定にも寄与、下りの勢いで前のめりに倒れそうな上半身も自然と起こしてくれます。 前足が地面に安全に着地できると判断した瞬間に、後方の支え足は力を抜きます。ちょっとだけ、飛び降りるような感覚です。 この降り方が、床反力を利用した方法です。 床反力とは、人が立ったり歩いたりする際に、足が床を押す力に対して、床が人へ返す反力のことです。物理学でいう「作用・反作用の法則」です。 そんなに、ドスンと着地したら「膝」に衝撃がかかって、痛めそうなイメージがあるかもしれません。 しかし、大丈夫です。 体を支える役割の中心を果たしている「骨」はめちゃくちゃ頑丈です。そして、「膝」には半月板というショックアブソーバー機能がついてます。着地時に膝を伸展位に誘導していくことで、骨と半月板が体の支持機構として正しく機能してくれます。 一方、膝を曲げての着地は、筋力を使いますし、繰り返しのストレスで腸脛靭帯炎になるわけです。 骨で体重を支えた方が、筋力で体重を支える何倍も体が楽です。(何倍かは、分かりませんが・・・) ここで「床反力」を体感してみましょう。 やり方はとても簡単です。今から2回、スクワットをします。 スタートは腰を落とした状態から ![]() 1回目は、体を伸ばすイメージで行います。 2回目は、両足で地面を押すイメージで行います。 どうですか?感覚の違いが分かりましたか? 2回目が床反力を意識した体の使い方です。 床反力の感覚を掴むために、自宅で少し強めの足踏みを行ったり、階段を降りる時などで練習してみてください。 ちなみにどんなスポーツでも床反力を上手に使うことは、パフォーマンス向上において大切です。 野球のピッチャーが球速を上げたいのであれば、腕を早く振ることを意識するより、足で地面を強く踏む意識を高めた方が案外効果が出ます。 ボクシングのパンチ力もそうです。手の力よりは地面を踏む力です。
これが、私が腸脛靭帯炎から解放された話の全てです。一応それなりの理論も紹介しましたが、ある意味一般的な下山のテクニックとは真逆の側面もあります。 あくまで自己責任で、お願いいたします。 この記事が、腸脛靭帯炎で悩む、登山が大好きな誰かの役に立ったならば幸いです。 ≪著者プロフィール≫
|
||||||
| |














