馴染みのない言葉かと思いますが、実は体の不調や痛みを訴えて、整骨院を訪れるほとんどの方は、この「機能的疾病」という症状です。
機能性疾患とは、内臓・神経・筋肉・骨などの体を構成する組織(部品)には問題がないのに、組織(部品)の働きが悪いことによって症状が起こっている状態です。
例えば、胃の働きが低下して消化不良の状態であるとか、血流や神経の働きが低下し、手足にしびれが生じている状態などです。
このいずれも、迷走神経という脳神経10番の働きが低下している事が根本的な原因で、胃や手足の問題ではありません。
また、機能性疾病とは別に「器質性疾病」というものがあります。
器質性疾患とは、体の部品に修理が必要な状態です。例えば、胃に潰瘍が出来て穴があいて痛む状態であれば、胃の穴をふさがなければその痛みは治まりません。
アキレス腱が切れて、足が動かない状態であれば手術や固定が必要です。
そのような場合、まずは外科的なアプローチが必要不可欠です。
ちなみに、病院で行われている検査や治療は・・・
組織(部品)それぞれの異常(器質性疾患)を見つけたり、手術したりは得意ですが、機能性疾患である場合は、ほとんど異常や原因を見つけられませんし、有効と言える治療法もあまり確立されていません。(注射や薬などの対処療法に頼っているのが現状です)
従って、症状があるのに異常が見つけれらない、という事が医療の現場では度々起こり得ます。
また、高齢者の場合レントゲンやMRIの診断により「加齢により軟骨がすり減り、骨と骨の間が狭くなっている事が原因。」とされ、一見「器質性疾病」のように扱われてしまいますが、このメカニズムも・・・
組織の血行不良・神経活動の低下 ⇒ 組織の代謝低下・弱体化 ⇒ 組織の器質性変性の発生
という過程を辿っていますので、根本にあるのはやはり「機能性疾病」なのです。
その証拠に、手術して部品の修理を行った後も症状が再発したり、症状が残ってしまうのは、この「機能性疾病」を治療していないからです。
人間の身体には、生命活動にとって必要な様々な「生体の流れ」があります。
西洋医学的にいえば、血液、体液、リンパ液、髄液、ホルモン、神経伝達物質、などの流れであり、東洋医学的にいえば、「気」「血」「水」の流れです。
これらが滞りなく移動・循環することで生命は維持されています。
当院で行っている遠絡療法は「生体の流れ」の詰まりを取り除き「機能性疾病」の回復を図る事を目的としています。
そして、これこそが根本的な治療だと私は信じて、日々施術を行っています。
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