首下がり症候群


2024/5/27

首下がり症候群

首下がり症候群とは、体を起こしている状態の時に、首が絶えず前に曲がった状態で、体幹に対して頭部が前屈している症状の事を言います。



首の骨が曲がって固まってしまった訳ではなく、仰向けに寝ると元の位置に戻ります。

首下がり症候群の原因は様々であり、病態に応じた治療が必要となります。

首下がり症候群は…

  • ミオパチー(筋肉系疾患の総称)
  • パーキンソン病
  • 重症筋無力症
  • 筋委縮性側索硬化症
  • 甲状腺機能低下症
などの病気が考えられます。病院でしっかりと検査し、これらの病気との関連性が無いのかを確認することが大切です。

しかし、上記の病気との関連性が確認できないケースも少なくありません。

その場合、加齢による筋力低下が最も多いと考えられています。

頭をまっすぐに支える筋肉は、主に僧帽筋、頭板状筋、頸板状筋などで、これらの筋肉により頭部は支えられています。



しかし、加齢で筋力が落ちる、又は過度に筋肉が緊張している状態などが続くことで筋肉の機能が衰えてしまうと、頭をまっすぐ支えられなくなります。


 当院で考える「首下がり症候群」の原因は、Atlas(アトラス=頚椎1番)の炎症です

ちょうど頭蓋骨の真下で、頚椎の一番上の骨です。
 

アトラスの炎症で、この部分の詰まりが起こり頭部への還流が阻害されると、延髄副神経の機能が低下します。

延髄副神経は、頭部の姿勢安定や運動の主要筋である僧帽筋や胸鎖乳突筋の支配神経ですので、この神経の働きが弱ってくると「首下がり症候群」の症状や、肩凝り、頸部の後屈困難などが起こります。

また、アトラスの炎症は、単に延髄副神経の機能だけが障害される訳ではなく、大脳、間脳(視床、視床下部、脳下垂体)、脳幹部(12脳神経)へと影響していきますので、「首下がり症候群」以外にも様々な症状が併発して起こってくる可能性もあります。

 
以下にアトラスの炎症で起こり得る症状を、まとめてみました。

 ≪アトラス第一頸椎)の炎症で起こる主な症状≫

●疲労感
体が疲れやすい、朝起きるのが辛い

頭痛、顔面痛
緊張型頭痛、偏頭痛、群発型頭痛、顔面神経痛、三叉神経痛、顎関節症

●体温の異常
慢性的な微熱、低体温など

●睡眠異常
不眠症、日中の眠気

●耳・喉・口の症状
耳鳴り、めまい、耳が詰まり感、喉の異物感、ドライマウス

●胸部の異常
動悸、息切れ、胸の痛み、胸やけ、圧迫感、うまく息を吸い込めないなど

吐き気・胃腸の異常
消化不良、吐き気、腹部膨満、便秘、下痢、腹にガスが溜まる

●排尿の症状
頻尿、残尿感、排尿困難

●手足の異常
手足のしびれ、脱力感、手足の冷え、ほてり

筋肉の凝り・関節の痛み
首や肩の凝り、関節の痛みなど

●皮膚の異常
皮膚や粘膜のかゆみ


第一頸椎(アトラス)は、ちょうど上位中枢(脳)と下位中枢(脊髄)の境目に位置します。この部分で問題が生じると、上位中枢にも下位中枢にも影響が出ますから、遠絡医学では大変重要視している部分で、必ずと言っていい程、施術を行います。


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