2018/11/5

膝の痛みと姿勢の関係(反り腰タイプ)

 引き続き、膝の痛み(変形性膝関節症など)の原因

姿勢の分析から解説します。




前回、記事で膝の悪い方の姿勢の特徴は、大きく分けて、2タイプいるとお伝えしました。

上の図でいうと「腰椎後傾(猫背)」(左)か「腰椎前傾(反り腰)」(右)の2つです。

※前回は「腰椎後傾(猫背タイプ)」について解説しました。

今回は「腰椎前傾」(反り腰タイプ)について解説します。


 
腰椎前傾(反り腰タイプ)の特徴

腰椎前傾タイプの方は、腸腰筋の筋力低下最大の特徴です。



腸腰筋は、股関節の 屈曲・外旋筋という動作に深く関わっています。

腸腰筋がうまく働かないと、股関節内旋位(内股)で歩く癖が出るために、大腿骨頭の被覆率が上がり、骨盤の寛骨臼の被りを深くする現象が見られます。



それと同時に膝は、ロッキング様にピンと膝を伸ばし切って歩きます。

その結果、過剰に内旋位にならないように、常に股関節の外旋筋(お尻にある筋肉)が働き、過緊張になり梨状筋症候群坐骨神経痛を引き起す場合があります。



また、腸腰筋と内側のハムストリングスは、同時に働くことが多いので、腸腰筋が働かなければ、必然的にハムストリングスの使用頻度も減り、筋力低下を起こします。


内側のハムストリングスの大きな働きは、歩行の際に踵が接地する時、適度に膝を曲げ緩衝動作を行うことです。

膝のロッキングは、この内側のハムストリングスの筋力低下を膝関節をロックする事で補い、体重を支持する目的で起こっているのです。

そして、不意な動作で膝を曲げた瞬間に、内側のハムストリングスの筋力で体重を支えられないので「膝崩れ」を起こしてしまう事が多々あります。

学生の頃、膝をピーン伸ばして立っている友人の後ろに回って「膝カックン」をやった事はないでしょうか?

あの現象です。一人膝カックンを起こします。

また、下肢を棒状にしてほとんど膝を伸ばす筋肉も使わないので、 大腿直筋という筋肉も短縮しやすくなり、歩行時の踵を接地する際には腸腰筋ではなく、大腿筋膜張筋を多く使用し過緊張になりやすくなります。

更に通常、歩く際に蹴る動作を行えば行うほど、腰椎は伸展する方向へ働くのですが、腰椎前傾タイプの方は、肝心な殿筋の力はほとんど使わずに腰部の筋肉を過剰に使用するため 腰方形筋も過緊張になっているが特徴です。



今回も長くなったので、まとめます!

腰椎前傾タイプの膝の痛みの特徴

・ 筋力低下を起こす筋 / 腸腰筋、内側ハムストリングス、(中殿筋)

・ 過緊張を起こす筋 / 梨状筋、腰方形筋、大腿直筋、大腿筋膜張筋


治療方針

腸腰筋、内側ハムストリングスの筋トレで神経の促通を促し、梨状筋、腰方形筋、大腿直筋、大腿筋膜張筋の過緊張を取り除く。

膝の痛みでお悩みの方は、是非一度当院にご相談ください。


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