当院の施術の中核を担っている遠絡療法では、頭部、顔面部の痛みの根本的な原因はAtlas(アトラス=頚椎1番)の炎症にあると考えて施術を行っています。
| ちょうど頭蓋骨の真下で、頚椎の一番上の骨です。 |
また、Atlas(アトラス=頚椎1番)を起点に起こる症状は幅が広く、頭部、顔面部の痛み以外にも・・・
「不定愁訴」と言われるような症状
「自律神経」の不調などと称される症状
などの多くも、まずはアトラスの炎症を考えるのが、遠絡療法の施術では定説となっています。
以下にアトラスの炎症で起こり得る症状を、まとめてみました。
≪アトラス(第一頸椎)の炎症で起こる主な症状≫
●疲労感
体が疲れやすい、朝起きるのが辛い
●頭痛、顔面痛
緊張型頭痛、偏頭痛、群発型頭痛、顔面神経痛、三叉神経痛、顎関節症
●体温の異常
慢性的な微熱、低体温など
●睡眠異常
不眠症、日中の眠気
●耳・喉・口の症状
耳鳴り、めまい、耳が詰まり感、喉の異物感、ドライマウス
●胸部の異常
動悸、息切れ、胸の痛み、胸やけ、圧迫感、うまく息を吸い込めないなど
●吐き気・胃腸の異常
消化不良、吐き気、腹部膨満、便秘、下痢、腹にガスが溜まる
●排尿の症状
頻尿、残尿感、排尿困難
●手足の異常
手足のしびれ、脱力感、手足の冷え、ほてり
●筋肉の凝り・関節の痛み
首や肩の凝り、関節の痛みなど
●皮膚の異常
皮膚や粘膜のかゆみ
第一頚椎の炎症などの病変で、この部分の詰まりが起こると、頭部への還流が阻害され、大脳、間脳(視床、視床下部、脳下垂体)、脳幹部(12脳神経)へと影響していきます。
視床が障害されると、脊髄の機能を支配していますので、四肢にも症状がでます。
また、Atlasは脊髄と脳幹の境目にあたりますから、ここの病変は、隣接する脳幹(延髄、橋、中脳)への波及し、その機能の発揮を抑制します。
視床下部は「生命維持の中枢であり、自律神経系の中枢」です。内臓の働きや、血圧や体温などを無意識下で調節し、ホメオスタシス(恒常性)を維持しています。ホメオスタシスは、自律神経系とホルモン系の連動によって保たれており、視床下部は下垂体との連携で、内分泌系(各種ホルモンの分泌)もコントロールしています。
また、脳幹部(12脳神経)が障害されると、以下のような症状が起こります。
Ⅰ嗅神経 | 嗅覚異常 |
Ⅱ視神経 | 視力 |
Ⅲ動眼神経、Ⅳ滑車神経 | 複視、眼球運動 |
Ⅴ三叉神経 | 顔の触れない痛み、奥歯の激痛、頬、下顎の激痛 |
Ⅵ外転神経 | 眼球外転 |
Ⅶ顔面神経 | 顔面の歪みと突っ張り感、顔面麻痺、dry eye、dry mouse、甘みの異常(舌前2/3)、眼輪筋麻痺 |
Ⅷ内耳神経 | 耳鳴り、めまい |
Ⅸ舌咽神経 | 塩辛味覚異常(舌後1/3) |
Ⅹ迷走神経 | 内臓症状、便秘、吐気、胃痛、腹部膨満、血圧、食欲 |
XI副神経 | 肩コリ、頸部後屈困難 |
XII舌下神経 | 舌の偏位 |
第一頸椎(アトラス)は、ちょうど上位中枢(脳)と下位中枢(脊髄)の境目に位置します。この部分で問題が生じると、上位中枢にも下位中枢にも影響が出ますから、遠絡医学では大変重要視している部分で、必ずと言っていい程、施術を行います。
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